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ADPレポート

経済発展の著しい中国では、エンターテインメント産業も同様に勢いよく伸長しています。では、人気ジャンルや最新トレンドは、そして日本との違いはどんな点にあるのか。また、中国映画・中国ドラマ=「華流」作品は、今後日本でどうなるのかといった展望も含めてレポートしていきます。   約10年で中国映画のエンタメ色が強くなった理由  冒頭で伸長していると述べましたが、中国のエンターテインメント産業が拡大しはじめたのはこの10年ぐらいのことです。もともとは欧米の映画が人気で国内作品はそこまで観られていませんでした。背景には、映画のクオリティは高かったもののマーケティングの観点が弱かったことや、才能のある作り手にそれほどの資金が投入されていなかったことが考えられます。  それがこの10年ほどで変わりはじめ、たとえば2018年に公開された『薬の神じゃない!』は最終興収約500億円(日本円、以下同)の大ヒットを記録しました。マーケティングがどのように変わったかというと、たとえばジャンルの変革です。以前は、いわゆる歴史映画のような作品が多めでしたが、よりヒットの見込みがあるエンターテインメント性の強いジャンルへとシフトしていったのです。  例を挙げると、2012年に公開された『ロスト・イン・タイランド』は過去にない捧腹絶倒のコメディでしたが、約190億円の大ヒットとなりました。当時の中国映画の興行収入記録を更新したこともあり、関係者に「こういう路線も良い」と思わせるきっかけとなったのです。  人気のジャンルでいえば、欧米作品であればマーベル作品が好評です。国内作品はコメディの人気が高いですが、トレンドの移り変わりも中国は早いのでこれからも毎年のように変わっていくでしょう。ひとつ言えるのは、どんなジャンルでもその時代の中国社会を反映している作品は人気があるということです。  象徴している作品といえば、『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』でしょう。これはハリウッドのスタッフを集めて製作したアクション映画で、元中国人民解放軍の主人公が某国の反乱に巻き込まれた中国人などを救うために戦うというストーリーです。2017年に公開された作品ですが約1000億円の興行収入となり、中国とアジアの歴代1位を更新しました。  その他のジャンルに関して言えば、いまや歴史ものは映画よりテレビドラマに多く、恋愛作品も映画には少ない印象です。これは日本人とのライフスタイル・嗜好の違いかもしれませんが、中国人はせっかくスクリーンで楽しむなら、ダイナミックな映画を観たいと思うのです。そのため中国ではハリウッド的な作品も多く作られていて、昨年公開された宇宙系のSF映画『流転の地球』は750億円を超える興行収入を記録しています。こういった作品が、今後よりいっそう増えていくと思います。  日本とのライフスタイルの違いというのは、家で視聴するのか、映画館で視聴するかで、観たい作品に違いがあるということです。前述したように、歴史や恋愛ものは家で、お金を払うならダイナミックなSFやアクションを観たいとなるのです。これは2009年に公開され、デジタル3D作品として世界的ヒットとなったハリウッド映画『アバター』の影響が大きいと考えています。実際に、『華流』という言葉を認知しており、華流作品を観たことがある日本人111名を対象に実施した「華流作品に対する認識調査」(*リンクを入れる)でも、華流作品でおすすめのジャンルとして「ヒストリー」57.7%に次ぎ、「アクション」が40.5%の結果に。日本人の傾向として華流作品には歴史を求める人が多いものの、華流作品が面白い理由として「スケールが大きい」などの回答が多く挙げられました。 <「華流作品に対する認識調査」>   1兆円を超えた中国映画市場の背景にある米国型モデル  中国映画市場の成長率は毎年5~6%伸びていて、1兆円を超えています。映画館は7万スクリーン以上。国土面積も人口も違いますが、日本の映画館の数は約3500なので18倍以上あります。  アジア全体でみると、映画大国にはインドがありますが、インドは興行収入があまり多くありません。ここにはチケットの安さが関係していると思いますが、中国はインドよりはチケットの平均単価が高いので、このまま勢いを増せば、いつか中国がアジアのハリウッドと呼ばれる日も来るのではないかと思います。  ちなみに中国のチケット代平均は60~80元で、日本円に換算すると960円程度。これは日本の約半額ですが、それでも興行収入は日本を圧倒しているので、中国はとてつもない数の人が映画を観覧していることになります。  中国映画の制作費は作品によりますが、たとえば750億円のヒットとなった『流転地球』は約50億円弱。こういった成功事例をもとにマーケティングを強めて、制作費には妥協せずにクオリティの高い作品を作り、安定的にマネタイズしていくモデルが現在の主流となっています。  これらのマネタイズには、銀行との協業が欠かせません。たとえば超大物俳優に出演交渉をする際に、投資家から集めたお金を銀行に預けて資金の潤沢さを証明させます。それでもNGとなった場合は資金を銀行から戻すことで、リスクを下げるのです。中国における資金集めは監督が中心に行う場合が多いですが、製作費は上昇傾向にありますし、今後ますます戦略的になっていくでしょう。一方、日本はリソースや製作費を制作委員会がグリップして資金運営していますが、中国にはそのような組織はありません。そのため、監督が銀行などと協力して安全な運営を担保しているのです。  映画館の運営に関しても中国と日本には違いがあり、中国にはシネコン(シネマコンプレックス/複合映画館)しかありません。日本にはミニシアターや単館があり、小規模映画はそこで上映される文化もあります。そしてもし大ヒットすれば全国に広がるというチャンスがありますが、中国にはないのです。どの映画もシネコンで上映し、動員が少なければすぐに打ち切りとなる厳しい世界です。  理由は、次の作品が控えているから。映画の本数自体も増えているため、ストックは潤沢にあるのです。つまり、利益率の悪い作品の上映はすぐに打ち切りとなり、より売れるものに変えていくというシステムなのです。  背景にはITと連動したチケット購入システムも関係しています。日本の場合はそれぞれの配給会社が独自の販売網をもっているケースが多く、表に出ない数字もあると思います。中国の場合は垣根がなく、ランキングや動員数などのデータが映画情報やチケット代とともに一覧表記されてアプリから購入するシステムが主流なので、競争が起こりやすいともいえます。   海外市場向けのマーケティングが華流発展のカギとなる  ネットフリックスをはじめとするVODの拡大によって、日本でも華流が浸透してきています。ただし、それはまだ一部。映画だけでなく音楽やタレントも、欧米のカルチャーに比べれば、華流はまだ日本に一般認知されていません。「アジア映画を見たことがある人」111名を対象に実施した「華流作品の認知度に関する調査」(*アンケートリリースが先の配信の場合、リンクをいれる)でも、華流作品が日本映画や、韓国映画よりも興行収入的にも高い人気を誇る映画があることを認識している人は39.6%に留まり、約6割の人は知らないことが明らかになっています。 <華流作品の認知度に関するアンケート調査>    課題のひとつに、プロモーションをしきれていないという問題があるでしょう。前述した大ヒット映画にしても、それだけ人気の作品が中国にあるということを、日本の方々にはあまり知られていないと思います。クオリティも作品数も中国内ではあふれているのに、まだまだ日本には伝わっていないのです。    また、海外市場へ向けた作品制作やマーケティングは、中国ではまだまだこれからというのも課題です。その点で長けている国は、韓国のエンターテインメントです。これは海外へ向けたコンテンツ作りとアプローチを戦略的に行ったからでしょう。ただし中国エンターテインメントの勢いはさらに加速していきます。世界的な映画賞に輝けば注目度も上がるでしょうし、これからも目が離せません。

株式会社ユナイテッドスマイルズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役専務:佐分利 清博)が企画する日本と中国の架け橋を目指す取組み<ASIAN◆DIAMONDS (アジアンダイアモンズ)>プロジェクトが関わる、日中合作映画「在乎你 ツァイフーニー(邦題:逢いたい)」が、2019年4月12日(金)より中国全土で公開が開始されました。 公開に先立ち、4月9日(火)に先行上映が行われ、4月10日(水)より3都市17劇場を回る上映ツアーを実施。監督の畢國智(ケネス・ビー)、主演の大沢たかお、俞飛鸿(ユー・フェイホン)、卢洋洋(リュー・ヤンヤン)が舞台挨拶を行いました。上映ツアーのフィナーレでは、4月13日(土)に行われた「第9回 北京国際映画祭」のオープニングイベントのレッドカーペッドに登場し会場に華を添えました。   ■先行上映ツアーの様子     ■第9回北京国際映画祭のオープニングイベント(2019年4月13日) 左からエグゼクティブプロデューサー浮乐莲(ローラ・フー)、 大沢たかお、俞飛鸿(ユー・フェイホン)、卢洋洋(リュー・ヤンヤン)、監督の畢國智(ケネス・ビー)   ■日中合作映画「在乎你(邦題:逢いたい)」について ▼ストーリー 主人公、袁元(ユェンユェン)は中国ファッション界を牽引するトップデザイナー。北京で開催される新ブランドのオープニングパーティー、そこに現れた彼女のファンであるというひとりの若い女性。ユェンユェンの目に映るのは、20年前日本で出会い、愛した男性「富哉」の娘だった。時を超え、国を超え、二人の想いが再び交差する。   ▼キャスト 俞飛鴻(ユー・フェイホン)大沢たかお 星由里子 鶴見辰吾 木下彩音 卢洋洋(リュー・ヤンヤン)前田公輝 周鉄(ツォー・ティエ)馬吟吟(マー・インイン) 他   ▼映画のみどころ 映画「在乎你(ツァイフーニー)」は全編にわたり中国の近代化と、対照的に全てを包み込むかのような北海道の情景美で映し出され、時の流れの中で、想い合う2人の大人のストーリーが展開されていきます。過去の自分が選んだ道に苦悩する女性デザイナー役を中国演技派女優である俞飛鸿(ユー・フェイホン)が、そして、その想い人である北海道最北の酒蔵の蔵主を大沢たかおが演じます。伝統を重んじ日本美を放つ酒蔵の女将を、恋に落ちた若き2人の愛を試すかのように、星由里子が鬼気迫る演技で体現してゆきます。異なる文化と愛のカタチ、時を超え、未来へ繋がる切ない想いを映像美と日中の演技派俳優がひとつの物語として紡いでいきます。本作品は、故・星由里子の遺作(海外映画作品)としても注目されています。   ■ASIAN◆DIAMONDSについて ASIAN◆DIAMONDSとは、“アジアをひとつに”を共有価値とし、新たなプロジェクト開発を目指ざすコンセプトです。日中共同企画開発・コーディネート、アジアスターの交流など、映像エンターテインメントにおけるアジアプレゼンス向上の一躍を担うべく活動します。

  2019年の春節(今年は2月5日)の連休中に公開された映画(2019年2月5日からの2019年2月10日)の6日間の興行収入は、58.31億元(約950億円 1元=16.3元)であった。観客動員数は、延べ1億3,000万人を動員。動員数は2018年よりも低下したものの、興行収入の金額は過去最高を更新した。中国と日本で人口の差はあるものの、日本の年間興行収入(2018年は2,225億円)の4割あまりを、1週間で売上げるという事は、いかに中国の映画市場が大きいかが分かる。   ※出典:灯塔专业版(淘宝網チケットプロフェッショナルバージョン)   今年春節にあわせて公開された映画は8作品。そのうち5作品はコメディであった。地球滅亡を題材に、中国最新CGも駆使して制作された「流浪地球」は、3月に入った現在でもヒットを続け、興行収入は45.8億元(日本で約746億円)を突破し、中国映画歴代2位の興行収入を記録している。 出典:CBO中国票房(http://www.cbooo.cn/)   過去五年間(2015年〜2019年)に公開された春節映画のうち、3つの映画が、その年に最も興行収入を上げた作品となっている。2016年「美人鱼(The Mermaid)」の興行収入は33.9億元(日本円で約595億円)、2018年「红海行动(Operation Red Sea)」の興行収入は36.5億元(日本で約595億円)。現在も公開が続いている「流浪地球」は45.8億元(日本円で約748億円)を記録し、早くも2019年の年間興行収入の1位を獲得しそうな様相である。春節に公開される作品のインパクトは、1年を通じてもそれだけのものがあるのだ。   出典:CBO中国票房(http://www.cbooo.cn/)

【2018年の日本の映画市場】 日本映画製作者連盟が平成31年1月29日に2018年の映画産業に関するデータを発表した。 2018年の日本国内スクリーン数は3,561スクリーン、興行収入は2,225億1100万円となった。 国内映画ランキングは邦画では、「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命」が93億円の興行収入を記録。続いて、「名探偵コナン ゼロの執行人」91.8億円、「映画ドラえもん のび太の宝島」53.7億円となった。洋画部門では、「ボヘミアン・ラプソディ」が104.6億円、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」80.7億円、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」75.1億円となった。   <2018年 映画興行収入ランキングトップ10> 「ボヘミアン・ラプソディ」 104.6億円 「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」 93.0億円 「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」 91.8億円 「ジュラシック・ワールド/炎の王国」 80.7億円 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」 75.1億円 「映画ドラえもん のび太の宝島」 53.7億円 「グレイテスト・ショーマン」 52.2億円 「リメンバー・ミー」 50.0億円 「インクレディブル・ファミリー」 49.0億円 「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」 47.2億円   <日本興行収入・スクリーン数> 参考:一般社団法人日本映画製作者連盟 http://www.eiren.org/toukei/data.html   【中国の映画市場は過去最高を更新】 中国の映画市場では、2018年の映画興行収入が609億元(約9,744億円 1元=16円換算)超となり過去最高を更新した。   <2018年 中国映画興行収入ランキングトップ10> 「紅海行動(OPERATION RED SEA))」36億5000万元(約584億円) 「僕はチャイナタウンの名探偵2(原題:唐人街探案2)」33億9700万元(約543億円) 「我不是薬神」31億元(約496億円) 「西虹市首富(Hello Mr. Billionaire)」25億4700万元(約407億円) 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」23億9000万元(約382億円) 「モンスター・ハント2(原題:捉妖記2)」22億3700万元(約356億円) 「ヴェノム」18億6900万元(約299億円) 「アクアマン」17億4600万元(約279億円) 「ジュラシック・ワールド/炎の王国」16億9500万元(約271億円)   <中国興行収入推移・スクリーン数> データ参考 http://www.gov.cn/xinwen/2019-01/01/content_5353909.htm   中国の映画市場は、毎年右肩上がりに拡大を続けており、 2018年の興行収入は、609億元(約9,744億円 1元=16円換算)日本円で約1兆円となり活況を呈している。 日本の2018年の興行収入2,225億と比べて、5倍近くの市場規模である。   2018年に日中で締結された「日中映画共同製作協定」を機に、中国映画市場の門戸が開かれた。 日本国内の俳優陣も海を渡り、徐々に中国映画市場への参入を始めている。   日本国内では、まだまだ中国映画の魅力は十分に語られていないが、 去年だけでも中国内では興行収入を400億円を超える話題作が多く存在している。 2019年は、中国映画作品が日本へやってくることにも期待したい。